経営者に必要な資質とは?
これからの時代、企業のリーダーに求められる資質とは何なのでしょうか。優れた経営トップの備えるべき最も重要な資質は「謙虚さ(humility)」であるという意見があります。
なぜ部下に有無を言わせないリーダーシップよりも「自分は大した人間ではない」と本心から考えるマインドが必要なのでしょうか。
「デジタル化が高速で進む今の時代は、組織のトップといえども、先が見えないことばかり。自分の知らないこと、詳しくないことはオープンマインドで、部下を含めていろいろな人の声に耳を傾け、教えを請う姿勢がカギを握る」と指摘したのは、スイスのビジネススクールIMDのマイケル・ウェイド教授です。
自分は何でも知っているかのように振る舞い、人の意見を聞かない権威主義的なリーダーは組織にとって大きな負担になります。「間違った決定をしても誰もそれに異を唱えることができず、修正が利かない。組織にとって極めて危険な状態」であり「何でも知っている(know-it-all)会社から、何でも学ぶ(learn-it-all)会社への変身」が必要だと続けます。
もちろん謙虚さと優柔不断や「当たり障りを避けて、問題を先送りする態度」は違います。「日本の経営トップには暴君タイプはほとんどいない。意思決定の適時的確性よりも関係者間の調和を優先し、社内の関係部門、先輩の経営者OB、創業家、大株主の顔色をうかがう場合が多く、時機を逃し、意思決定の中身が曖昧になってしまう」と指摘するのは経営共創基盤の冨山和彦CEOです。
以上、日経電子版より一部引用
これからの時代、リーダーには企業の大きさに関係なく、決断力のほかにソクラテスの「無知の知」の謙虚さが求められるのかもしれません。