企業が倒産する原因ランキング

「開業したい」と起業を検討するときは、事業を成功させるためにはどうしたら良いか、情報収集は欠かせません。失敗する原因も合わせて理解することで、事業が成功する確率を向上させることができるかもしれません。

今回は、企業が倒産する原因について解説します。

中小企業・小規模事業者の数

中小企業・小規模事業者の数

中小企業・小規模事業者の数については、2016年6月時点で357.8万者となりました。2014年と比較すると、23.1万者減少しています。

中小企業庁「中小企業の企業数・事業所数」

日本の企業の数は毎年減少を続け、2016年6月時点で358.9万者にまで減りました。全企業の99.7%は中小企業・小規模事業者であり、大企業は1.1万社程度の数です。

企業が倒産する原因

企業の倒産件数は、ここ3年間(2016年〜2018年)は横ばいで推移していますが、倒産する原因は毎年ほぼ同じです。

1位:販売不振

企業が倒産する原因として圧倒的に多いのが「販売不振」です。2018年に倒産した8,235者のうち、約7割の5,799者は販売不振が原因で倒産しています。

販売不振には大きく2つのパターンがあり、1つは徐々に売上が減少していくパターン、もう1つは急激に売上が減少するパターンです。どちらのパターンにも共通して言えることは、売上が減少した原因を把握していかに早く対策を講じることができるかがその後の明暗を分けます。

2位:既往のしわよせ

次に多い倒産原因は「既往のしわよせ」です。2018年は倒産原因の1割超を占めています。

既往のしわよせは、経営状態が悪化していることに気が付かない、直視しないために十分な対策を講じることができないまま倒産するケースです。短期的な課題だけではなく、中長期的な課題を把握して対策を講じていくことが重要だと言えます。楽観的な予想をせずに、危機感を感じたらすぐに手を打つことが大切です。

3位:放漫経営

「放漫経営」は、経営者が企業を運営・管理する能力が無い、会社を私物化するなどの理由により経営が混乱して倒産に至るケースです。企業の業績が良い時は表面化しづらく、業績が悪化すると一気に倒産に追い込まれる場合もあります。業績が良い時ほど経営管理体制や経費の見直しなどに取組み、「兜の緒を締める」経営意識が必要です。

4位:連鎖倒産

「連鎖倒産」は、特定の取引先への依存度が高いために、その取引先が倒産すると自社も巻き込まれて倒産してしまうケースです。特定の取引先だけに依存せずに、リスクを分散して事業展開していく必要があります。

5位:過少資本

「過少資本」とは、自己資本が少ないために企業に体力が無く、業績が悪化すると倒産に追い込まれてしまうケースです。また、自己資本が少ないと企業を運営する際に、他人資本に頼る比率が大きくなります。他人資本とは、借入金など外部から調達した資本のことです。会社の体力である自己資本を厚くする努力を継続していく必要があります。

6位:設備投資過大

「設備投資過大」は、設備に投じた資金が大きすぎたために回収する前に資金繰りが悪化、倒産するケースです。企業には適時適切な設備投資が必要です。しかし、投資が過大だと回収するまでの期間が長くなります。金融機関から融資を受けて設備に投資した場合でも、元金の返済と利息の支払が発生します。設備投資は慎重に行う必要があります。

7位:信用性の低下

「信用力の低下」は、取引先・顧客・金融機関などからの信用を失ったために倒産するケースです。取引先や顧客からの信用は売上や取引条件に直結します。また、金融機関からの信用を失えば、必要な融資を受けることができなくなります。普段から「三方よし」の経営を心掛けることが重要です。

8位:売掛金回収難

「売掛金の回収難」は、取引先の未払が横行している、または自社の回収に対する意識の低さから資金繰りを悪化させた結果、倒産するケースです。売掛金を回収するまでが仕事であることを社長と社員が意識して取り組むことが重要です。

9位:在庫状態悪化

「在庫状態悪化」は、過剰在庫や不良在庫が原因で資金繰りが悪くなり、倒産するケースです。在庫はカネがモノに変わっている状態ですから、余分に持ちすぎたり売れ残りが多ければ資金繰りは悪くなります。過剰在庫は無いか、不良在庫は無いか、在庫を適切に管理することが重要です。

まとめ

上記の倒産原因に共通しているのは、結果的に資金繰りが回らなくなったことです。どんなに赤字でも、資金繰りが回っている間は企業は倒産しません。逆にどんなに黒字でも、資金繰りが回らなくなったときは倒産します。普段から自社の経営状態を把握することで、倒産の危機を未然に防ぐことができます。

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