日本政策金融公庫の創業計画書の書き方のポイントとは?

日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けるためには、「創業計画書」を作成して提出する必要があります。このページをご覧いただいている方の中にも、すでに創業計画書の作成に取り組まれている方やこれから作成される方も多いと思います。

今回は、創業計画書の書き方のポイントを解説します。

創業計画書は日本政策金融公庫の支店窓口や、ホームページから入手することができます。

日本政策金融公庫HP「創業計画書」

① 創業の動機

記入例をマネて書かない

日本政策金融公庫のホームページから創業計画書の記入例を入手することもできます。

日本政策金融公庫HP「計画書記入例」

ただし、「創業の動機」の記入例をマネて書くようなことだけは決してしないでください。創業の動機をたった4行で書くことの方が難しいと思います。

開業しようとしている事業に対する熱い思いや夢は、誰かの真似でもなく、誰かに真似できるものでもないはずです。

② 経営者の略歴等

経験・能力を徹底的にアピールする

これまでにどんな仕事の経験があるか詳しく記入します。経験の内容が特に重要です。

例えば、サラリーマンの時に培った経験や人脈、開業する事業に関連する能力や実績を徹底的にアピールしてください。

③ 取扱商品・サービス

必要に応じて補足資料を添付する

 取扱商品・サービスの内容

「取扱商品・サービスの内容」を日本政策金融公庫の担当者に理解してもらえないと融資は受けられません。

担当者の方は世の中のすべての事業について熟知しているわけではありません。

開業する事業の内容によっては、文字だけでは伝わりづらい場合もあります。

その場合には、写真や図を補足資料として添付して、商品・サービスを理解してもらえるようにしておきましょう。

 セールスポイント

「セールスポイント」は、「なぜお客様はあなたからその商品・サービスを買うのか?」という視点で考えてみると良いと思います。

競合他社が数多くいる中で、なぜ自社が選ばれるのか、他社との違いや優れている点を考えてみてください。

 販売ターゲット・販売戦略

「販売ターゲット・販売戦略」は、販売する相手を明確にして具体的な集客方法を記入します。

販売ターゲットについては、商品やサービスにもよりますが明確にしておきましょう。

例えば、年齢・性別・職業等だけではなく、独身向け・ファミリー向け・シニア向けかの違いなどでターゲットは変わってきます。

販売戦略については、どの集客方法で、どのくらいの効果が見込めるのか具体的に記入します。

こちらも商品やサービスにもよりますが、例えば、飛び込み・電話・FAX・DM・チラシ・広告(看板・インターネット等)・イベント・紹介・SNS等、売るための具体的な方法を明確にしておきましょう。

 競合・市場など企業を取り巻く状況

「競合・市場など企業を取り巻く状況」は、競合調査・市場調査・業界の動向調査を徹底的におこなって記入しましょう。

④ 取引先・取引関係等

販売先リストを作成して添付する

販売先がすでに決まっていれば、契約書や発注書を添付します。

しかし、開業前の時点では販売先が決まっていないことの方が多いでしょう。その場合には販売先リストを作成して添付します。

自社の商品を販売する相手のリストの有無は、融資の審査だけではなく、開業後の売上に大きく影響します。

飲食店などで、販売先が決まっていない・販売先リストの作成も困難という場合には、③ 取扱商品・サービスの「競合・市場など企業を取り巻く状況」の中に、市場調査を徹底的におこなった結果を補足資料として添付しましょう。

⑤ 従業員

ここでは、従業員の方の人数を記入します。従業員の方がいらっしゃらなければ「0」で構いません。

⑥ お借入の状況

住宅ローンや車のローンなど、借入がある場合に記入します。

「本当は借入があるけど書かなければ大丈夫!」じゃありません。バレます。

ここに記入しなかった借入が後から判明した場合には、融資を受けることは非常に難しくなります。

⑦ 必要な資金と調達方法

左側に資金の使い道、右側に資金の調達方法を記入します。一番下の合計は同じ金額になるように記入してください。

左側の資金の使い道には「設備資金」と「運転資金」があります。

☛☛☛「資金使途」について詳しくはこちら

右側の資金の調達方法は「自己資金」と「借入」に分かれます。

☛☛☛「自己資金」について詳しくはこちら

⑧ 事業の見通し

売上高の根拠を別紙で詳しく説明する

「事業の見通し」は融資の担当者が一番厳しく審査する部分です。

借りたお金をきちんと返せる計画になっていることはもちろんですが、特に売上の根拠については面談でも具体的に説明できなくてはなりません。

⑨ 自由記述欄

①〜⑧まででアピ―ルしきれなかったことがあれば積極的に記入しましょう。

まとめ

☛ 記入例をまねて創業の動機を書かない

☛ 市場調査・業界の動向調査は超重要

☛ 必要に応じて補足資料・別紙を積極的に添付する

「情報の量と融資の成功率は比例する」とも言われています。これまでの経歴と開業する事業を積極的にアピールしましょう。

また、融資を受けるためだけに創業計画書を作るのはもったいないことです。創業する事業を継続・発展させていくための計画を立てましょう。

行政書士門間拓也事務所では、日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けたいとお考えの方の創業融資をサポートしています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。