会社設立後の手続きとは?
会社を設立すると、個人のときには必要なかった税金関係や社会保険関係などの手続が必要になります。
法人税については「税務署」法人道府県民税については「都道府県税事務所」法人市町村民税については「市町村役場」で、それぞれ手続をします。
※法人市町村民税については自治体によって扱いが異なる場合がありますので、本店所在地の市町村役場にご確認ください。
また、社会保険関係の手続や従業員の方がいらっしゃれば労働保険関係の手続、必要に応じて金融機関で会社名義の預金口座を開設します。以下、解説していきます。
税務署
法人設立届出書
提出期限は会社設立から2ヵ月以内です。定款のコピーなどを添付します。
国税庁HP「法人設立届出書」
青色申告の承認申請書
提出期限は会社設立から3ヵ月以内です。9年間赤字を繰り越すことができたり、控除を受けられるなどのメリットがあります。期限を過ぎると税制の優遇を受けられなくなりますので、忘れずに必ず提出しましょう。
国税庁HP「青色申告の承認申請書」
給与支払事務所等の開設届出書
役員(社長を含む)と従業員に給与を支払う会社の場合はこの届出を提出する必要があります。
国税庁HP「給与支払事務所等の開設届出書」
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書
給与を支払うときには毎月所得税分を源泉徴収して支払います。その源泉徴収した所得税は会社が毎月税務署に納める必要があります。
この毎月の納付手続きを半年に1回にすることができるのがこの申請書です。申請できるのは給与の支払いが常時10人以内の会社に限られます。
国税庁HP「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書」
都道府県税事務所・市町村役場
都道府県税事務所の手続きの際には、定款のコピーや登記事項証明書(登記簿謄本)を添付する必要があります。
・茨城県「法人の設立等に関する申告書」
・栃木県「法人の事務所設置等届出書」
・群馬県「法人設立申告書」
・埼玉県「法人の設立等報告書」
・千葉県「法人の設立等報告書」
・東京都「法人設立届出書」
・神奈川県「法人設立届出書」
法人市町村民税については自治体によって取扱いが異なる場合がありますので、本店所在地の市町村役場にご確認ください。
社会保険・労働保険関係
年金事務所
「厚生年金」と「健康保険」へ加入します。社長ひとりの会社でも加入する必要があります。
労働基準監督署
「労災保険」への加入手続をします。従業員がいない(社長ひとりの会社など)場合には加入する必要はありません(加入できません)。
公共職業安定所(ハローワーク)
「雇用保険」への加入手続きをします。これも労災保険と同様に従業員がいない(社長ひとりの会社など)場合には加入する必要はありません(加入できません)。
金融機関
金融機関で会社名義の預金口座を開設するときに必要になるものは以下のとおりです。
預金口座の開設に必要なもの
・会社の定款
・会社の登記簿謄本(法務局で取得できます)
・代表者印(会社の実印)
・会社の印鑑証明書(法務局で取得できます)
・代表者の身分証明書
・使用する銀行印
金融機関によって、ほかにも提出する資料が必要になる場合があります。また、預金口座の開設には審査があり金融機関によって審査の基準が異なるため、口座開設を断られるケースもあります。
法人名義の口座開設を断られる理由には下記のような例が挙げられます。
法人名義の口座開設を断られる理由
・資本金の額が低すぎる
例:資本金1円など
・事務所の実態がない
例:バーチャルオフィスなど
・事業内容があやしい
例:定款の事業目的が多い・不明瞭
まとめ
会社設立の前後は特に忙しい時期かもしれませんが、1つずつ忘れずにおこなっていきましょう。税金関係の手続については税理士、社会保険・労働保険関係の手続については社会保険労務士に相談するのも良いでしょう。
また、思わぬ理由で会社名義の預金口座を開設できないという事態を未然に防ぐためにも、会社を設立する前の段階からしっかり準備していくことが重要です。