クラウドファンディングの仕組みとは?
最近巷でよく耳にするクラウドファンディングですが、一体どのようなものなのでしょうか。2017年度の日本国内の市場規模は1,700億円、2018年度は2,000億円という推計も出ており、2011年に国内初のクラウドファンディングがスタートして以来、毎年拡大し続けています。
今回は、クラウドファンディングの仕組みと種類について解説します。
目次
そもそもクラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、個人や団体がインターネットなどを経由して不特定多数の人から資金を集める方法です。
Croud(群衆)からFunding(資金集め)を実現することによって、個人や任意団体でも資金調達が可能になりアイデアや想いを形にしやすくなりました。
クラウドファンディングには以下の5つのタイプがあり、各タイプごとに様々な特徴があります。
クラウドファンディングの種類
・寄付型
・購入型
・貸付型(ソーシャルレンディング)
・ファンド型
・株式型
寄付型の仕組みと特徴
寄付型は、「プロジェクトに対する寄付を募り、支援者に対してリターンが無い」という仕組みです。
寄付を受ける側はリターンにかかる費用がほとんど無いので、社会的課題を解決するような事業性の低いプロジェクトが向いています。
寄付型の代表例
購入型の仕組みと特徴
購入型は、「プロジェクトを応援してくれる支援者から資金を集め、支援者はリターンとしてモノやサービスを購入する権利を得ることができる」という仕組みです。
購入型では、地方活性化や地方創生、ものづくりなどのプロジェクトが増加しています。金額の傾向として、1プロジェクト当たり「10万円未満」の小規模なプロジェクトから「1億円以上」の大規模なプロジェクトまで幅広いことも特徴です。
購入型の代表例
貸付型(ソーシャルレンディング)の仕組みと特徴
貸付型(ソーシャルレンディング)は、「企業が出資者から資金を借り、出資者にはリターンとして利子が分配される」という仕組みです。
日本国内のクラウドファンディング市場のうち、金額だけを見ると9割を占めているのがソーシャルレンディングです。資金の貸し手である出資者には比較的高い利回りの分配金を短期で受け取れるというメリットがあり、利回り競争が過熱しています。ソーシャルレンディングでは、出資者が企業に直接資金を貸し付けるのではなく、運営会社が間に入りますが、出資者には事業の内容や個人の特性は分かりません。
貸付型(ソーシャルレンディング)の代表例
ファンド型の仕組みと特徴
ファンド型は、「個人投資家から出資を募り、出資者は投資した事業の売上高や出資額に応じた配当を受けられる」という仕組みです。
ファンド型と貸付型(ソーシャルレンディング)との大きな違いは、ファンド型は貸付ではなく出資である点です。企業が大きく成長した場合のリターンを比較すると、ファンド型のほうがさらに高い利回りが期待できますが、ファンド型は事業単位の出資であり、純粋にプロジェクトを応援したいというエンジェル投資家が多いことも特徴です。
ファンド型の代表例
株式型の仕組みと特徴
株式型は、「上場していない株式会社が出資者を募り、出資者は非上場企業の株式を購入して配当と売買益を受け取れる」という仕組みです。
1社当たりの資金調達額には1億円未満という制限があり、出資者の投資額にも50万円未満という制限があります。また、出資者は株式を将来的に上場すれば自由に売買できますが非上場のうちは売買に制限がある点や、出資先の企業が倒産するリスクを考慮する必要があります。
株式型の代表例
まとめ
クラウドファンディングは、金融機関から融資を得るのが難しい不確実な新規事業でも、支援者の賛同があれば資金を調達してビジネスをスタートすることができる点にメリットがあります。また、利用申込みに関する条件もないので、自己資金が無い人や事業経験が少ない人でも申込むことができます。
その反面、すべての資金をクラウドファンディングで調達するのは難しいため、資金の一部を調達する手段として検討してみてはいかがでしょうか。