融資を申込む前にチェックしておくべきこと

日本政策金融公庫に融資を申込んだ場合に、希望通りの借入ができる方と、残念ながら融資が受けられない方がいらっしゃるのはどうしてなのでしょうか。創業する事業の計画が明確に定まっていなければ、お金を借りることはできません。

今回は、日本政策金融公庫に開業資金の融資を申込む前に、チェックしておくべきことについて解説します。

☑ 開業予定地は決まっていますか?

開業予定地が決まっていないと、融資を受けることはできません。店舗や事務所、テナントを賃借して開業する場合には、その不動産の物件情報、敷金・礼金・保証料など物件取得にかかる費用の見積書が必要です。

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☑ 融資を受ける資金の使途(使いみち)は明確ですか?

日本政策金融公庫は、資金の使途(使いみち)が明確でないとお金を貸してくれません。融資を受けるに当たり、何にいくら使うのかを明確にしておく必要があります。設備資金については、すべて見積書を揃えておきましょう。運転資金については、業種や売上規模によって必要な金額は異なります。「何となく〇〇万円借りたい」とか「いくらなら借りられるか」という計画は御法度です。

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☑ 創業する事業のビジネスモデルを説明できますか?

ビジネスモデルとは、簡単に言うと「誰に、何を、どのように提供して、どこでどれだけ儲けるか」のことです。収益の仕組みが分かりやすい業種、例えば、日本に多く存在する飲食店や製造・建設・運送業などであれば、融資を受ける際にそこまで細かい説明はいらないかもしれません。しかし、創業する事業が新興のサービス業などであれば、ビジネスモデルが理解されないがために希望する融資が受けられないケースも多々あります。

☑ 売上先は確保していますか?

まだ開業してもいないのに、開業後の売上先を確保できているケースは少ないかもしれません。しかし、営業先のリストや潜在顧客のリストがあるか、作成して提出するかどうかで、希望している融資を受けることができる可能性は大きく変わります。

☑ 売上の見込みには根拠がありますか?

創業後に売上がどのくらい上がるのか、根拠のある説明をする必要があります。例えば、飲食店であれば、開業予定地の立地はどうか、駅近ならその駅の平日・休日の利用者数はどのくらいか、駅から遠いのであれば店舗に面した道路の1日の人通り・車通りはどのくらいか、隠れ家的な場所であればどうやって集客するのかなどを把握しておく必要があります。

☑ 仕入先は決まっていますか?

仕入先と取引の条件については、融資を申込む前に確認しておきましょう。「どこから何を仕入れるのか」「現金取引なのか、毎月まとめて後払いなのか」「仕入れの量に応じて単価に変動があるのか」などは、実際に事業を開始した後に重要になることばかりです。

☑ 毎月の経費は把握できていますか?

業種によって仕入が発生する場合や、外注費や従業員にかかる人件費が必要な場合もあるでしょう。また、店舗や事務所・テナントなどの賃料、水道光熱費、通信費などの経費が毎月どのくらいかかるのか、融資を申込む前から把握しておく必要があります。

☑ いくら売り上げると利益が出ますか?

売上と経費の見込みが立てば、「いくら売り上げると利益が出るのか」が計算できると思います。開業前であれば、あくまでも計画・試算にはなりますが、根拠のある数字を説明できるようにしておきましょう。

☑ 毎月の返済額はいくらですか?

融資を受けたお金に対する毎月の返済額については、必ず理解しておく必要があります。売上から経費を差し引いた利益が、借入の返済に充てられるお金になります。「〇〇万円借りた場合に、毎月いくら返済する必要があるのか」しっかり把握しておきましょう。

事業資金用返済シミュレーション

日本政策金融HP

☑ 自己資金は準備していますか?

「自己資金が0だと融資は即NG」という訳ではありませんが、開業に向けてどれだけ準備してきたか、自己資金の額も含めて創業者の計画性を審査されます。

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まとめ

今回、上記に挙げた「融資を申込む前にチェックしておくべきこと」は、どれも大切なことばかりです。日本政策金融公庫に開業資金の融資を申込む際には、万全の状態で臨むことを強くおすすめします。

行政書士門間拓也事務所では、日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けたいとお考えの方の創業融資をサポートしています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。