【創業融資の成功事例】訪問看護ステーション開業資金

今回は、訪問看護ステーションの開業資金として、日本政策金融公庫から600万円の融資を受けることに成功したTさんの事例をご紹介します。

Tさんは、以前から自分で訪問看護ステーションを立ち上げたいと考えていましたが、「法人の登記が完了したので開業資金の融資申込をしたい」ということでご相談にいらっしゃいました。

介護保険事業で開業する場合には、基本的に法人を設立する必要があり、日本政策金融公庫への融資申請も法人登記完了後でなければすることができません。

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Tさんは、看護師として携わってきた経験は十分な方でしたが、自己資金として今準備しているお金は80万円ということで、借入れを希望する金額に対して不足しているという印象でした。

通常、創業融資で借入れができる金額は、自己資金の2倍から多くても5倍程度が一般的です。自己資金が80万円であれば、融資が受けられる金額は160万円から多くても400万円といったところです。

では、なぜTさんは希望通りの融資を受けることができたのでしょうか。

創業する事業の経験が豊富だった

Tさんは高校を卒業後、看護学校に入学して正看護師の資格を取得しました。看護学校を卒業後は、病棟勤務を5年間経験してその後は訪問看護の道へ。10年以上の間、現場での経験・管理者としての経験を積んできました。

詳しくお話を伺うと、Tさんは正看護師の資格の他に、ケアマネージャーをはじめとする様々な資格を取得されていて、介護・福祉の分野で知識が豊富なことが分かりました。

そこで私は、創業計画書の作成をお手伝いする際に、Kさんのこれまでに培ってきた経験と実績を十分にアピールできるようにしました。

また、訪問するエリアの人口・高齢者の人数・要支援者数・要介護者数のデータ、地域で競合になるステーションと開業後の営業先リストを準備されていたので、分かりやすい資料にまとめ直して行動計画と売上の根拠を示しました。

「みなし自己資金」が認められた

Tさんは、法人設立後にご相談にいらっしゃいましたが、すでに事務所の仮契約を済ませており、備品についても購入を始めていました。総額にすると70万円ほどの費用を支払済みでした。

そこで私は、支払済みの費用である70万円については、「みなし自己資金」として自己資金に算入した計画の作成をお手伝いしました。

みなし自己資金とは、開業後の事業のためにすでに支払ったものがある場合に、その金額を自己資金として認めてもらうことをいいます。

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支払済みのお金を自己資金として認めてもらうために、事業のために支払ったことを説明するための請求書・領収書・振込明細などを添付した資料を作りました。

Mさんは、80万円の預金とみなし自己資金70万円の合計150万円の自己資金で600万円の融資を申込み、無事に希望額満額の融資を受けることができました。

また、「ソーシャルビジネス支援資金」として融資を受けることができたことから、金利の優遇も受けることができました。

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まとめ

☛ 支払済みのお金が自己資金として認められる場合がある

☛ 社会的課題の解決を目的とする事業は金利が優遇される場合がある

もし、自己資金が不足しているようであれば、すでに事業のために支払ったお金が無いか見直してみるのも良い思います。場合によっては「みなし自己資金」として認められる場合があります。

また、社会的課題の解決を目的とする事業は、日本政策金融公庫の「ソーシャルビジネス支援資金」という融資制度を利用できる可能性があります。通常よりも金利が優遇される制度になっていますので、日本政策金融公庫に融資の相談をされる際にはぜひ聞いてみると良いでしょう。

行政書士門間拓也事務所では、日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けたいとお考えの方の創業融資をサポートしています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。