【創業融資の成功事例】居酒屋の開業資金

今回は、居酒屋の開業資金として、日本政策金融公庫から800万円の融資を受けることに成功したKさんの事例をご紹介します。

Kさんは、以前から自分のお店を持ちたいと考えていましたが、「条件が良い物件の空きが出たため、今回、何としても開業資金の融資を受けたい」ということでご相談にいらっしゃいました。

Kさんは、飲食店に携わってきた経験は十分な方でしたが、自己資金としてこれまでに準備してきたお金は100万円で、借入れを希望する金額に対して少し不足しているという印象でした。

通常、創業融資で借入れができる金額は、自己資金の2倍から多くても5倍程度が一般的です。自己資金が100万円であれば、融資が受けられる金額は200万円から多くても500万円といったところです。

では、なぜKさんは希望通りの融資を受けることができたのでしょうか。

創業する事業の経験が豊富だった

Kさんは高校を卒業後、居酒屋を経営する会社に就職、以来10年以上の間、接客・仕入の管理・商品の開発・従業員の教育などの経験をされてきました。

私がお会いした時には、地域に数店舗出店しているうちの1店舗で、店長として4年目を迎えていました。

詳しくお話を伺うと、Kさんが店長をつとめる店舗は以前は赤字続きのお店でしたが、Kさんが店長に就任後、経費の見直しなどの改革をおこない、2年目には通年で黒字化、3年目には単月でも赤字の月が無くなるまでにお店を建て直した、という経験があることが分かりました。

そこで私は、創業計画書の作成をお手伝いする際に、Kさんのこれまでに培ってきた経験と実績を十分にアピールできるようにしました。

自己資金を増やすことができた

自己資金をもう少し用意できないか考えたKさんは、自分でこれまでに用意してきた100万円のほかに、ご両親に援助を受けられないかお願いしました。

ご両親や親戚の方に援助をお願いする場合には、「援助を受けるお金が返済義務の無いお金」であり、「援助をしてくれる方の財務状況が良好である」ことが必要です。

もし、「すぐに返すから少しの間だけ貸してほしい」という理由でお金を借りてきたとしても、それは「見せ金」であり自己資金として認められません。

☛☛☛「見せ金」について詳しくはこちら

幸いKさんはご両親から50万円の援助を受けることができましたが、きちんと贈与契約書を結んでいただき、Kさんの口座に振り込んでいただいた上で、ご両親の財務状況が良好であることを証明するための資料を添付しました。

Kさんは、150万円の自己資金で800万円の融資を申込み、無事に希望額満額の融資を受けることができました。

また、生活衛生貸付の「振興事業貸付」という融資制度を利用して、金利の優遇を受けることもできました。

☛☛☛生活衛生貸付の「振興事業貸付」について詳しくはこちら

まとめ

☛ 創業融資では事業の経験がとても重要

☛ ご両親や親戚の方からの援助も自己資金として認められる場合がある

もし、自己資金が不足しているようであれば、援助をお願いできる方がいらっしゃらないか検討してみるのも良いと思います。ただし、「自己資金は0だけど誰かから援助を受けて、残りは融資を受けたい」という計画だと、融資を受けることは難しいでしょう。

また、これまでの経験から、創業する事業についてアピールできることが誰にでも必ずあるはずです。今回のKさんのような過去の経験ではなくても、これから活かすことができる経験があれば、創業融資の審査では積極的にアピールしていくべきです。

行政書士門間拓也事務所では、日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けたいとお考えの方の創業融資をサポートしています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。