創業前に「新創業融資制度」を利用するための要件

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用するには、3つの要件を満たしている必要があります。要件には、創業の要件・雇用創出等の要件・自己資金要件がありますが、これから開業する場合にはどのような要件に当てはまれば良いのでしょうか。

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今回は、創業前に「新創業融資制度」を利用するための要件の組み合わせを解説します。

要件の組み合わせ①

創業前である

経験年数が6年以上ある

自己資金を10分の1以上用意している(もちろん多ければ多いほど良い)

これから開業する方で、創業する事業の経験が6年以上あり、自己資金を10分の1以上用意しているケースです。

経験年数が6年以上というのは、現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める場合で、現在の企業に継続して6年以上勤務しているか、現在お勤めの企業と同じ業種に通算して6年以上勤務した経験をいいます。

要件の組み合わせ②

創業前である

技術やサービスなどに工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める

自己資金を10分の1以上用意している(創業する事業の経験が少ない場合、自己資金が重視されやすい)

これから開業する方で、創業する事業の経験は6年未満だが、技術やサービスなどに工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める場合に、自己資金を10分の1以上用意しているケースです。

「技術やサービスなどに工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める」というのは、どのような事業にも当てはまる可能性があります。創業する事業の経験が少なければ少ないほど、自己資金が重視されやすくなります。

要件の組み合わせ③

創業前である

認定創業スクール・創業支援ネットワークの支援を受けて事業を始める

自己資金を10分の1以上用意している(合わせて創業する事業の経験を積んだ方が良い)

これから開業する方で、創業する事業の経験は6年未満だが、認定創業スクールや創業支援ネットワークの支援を受けて事業を始める場合に、自己資金を10分の1以上用意しているケースです。

認定創業スクールとは、創業時に必要となる基礎知識やノウハウの習得、創業に向けたビジネスプランの作成を支援している講座・セミナーのことで、経済産業省が認定したものをいいます。(創業スクールHP

創業支援ネットワークは、日本政策金融公庫が市区町村、商工会議所・商工会、大学などの創業支援機関と連携して計画の策定や販路の開拓など、創業に関するさまざまな支援を提供しています。

ただし、創業する事業の経験があまりにも少ない場合には、アルバイトでも良いので経験を積んでおくことをおすすめします。

要件と実際に融資を受けられる金額

上記の要件を満たせば希望通りの融資を受けることができるかというと、必ずしもそうではありません。

はじめての開業の場合、実際に融資を受けることができる金額は、販売先が既に決まっていて売上が確定しているなどの例外的な場合を除いて、自己資金の2倍から多くても5倍が目安です。

まとめ

☛ 創業する事業の経験は重要

☛ 経験が無い(少ない)ほど自己資金は重視される

☛ 実際に融資を受けられるのは自己資金の2倍から5倍

今回は、創業前に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用するための要件を解説しましたが、経験や自己資金が不足していると感じたら、1度立ち止まって創業の時期を見直してみるのも良いと思います。

起業の時期をずらすというのは本意ではないかもしれませんが、結果的に事業を成功させるための近道になることもあります。

行政書士門間拓也事務所では、日本政策金融公庫から開業資金の融資を受けたいとお考えの方の創業融資をサポートしています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。