資金繰りの改善で重要な事業の効率性とは?

事業の効率性を示す指標には様々なものがありますが、今回は、資金繰りを改善させるために知っておくべき3つの指標について解説します。

効率性を示す3つの指標

資金繰りの改善を検討する場合には、事業の効率性を示す指標のうち「売上債権回転日数」「棚卸資産回転日数」「仕入債務回転日数」の3つを把握しておく必要があります。

売上債権回転日数

売上債権回転日数は、次の式で求められます。

売上債権回転日数 =

売上債権(売掛金+受取手形)÷ 売上高 ÷ 365日

売上債権回転日数は、売上債権(売掛金・受取手形)を回収するまでに何日かかるかを示す指標です。

この日数が長いと、資金を回収するまでの期間が長いことから資金繰りが悪くなる可能性があります。期日通りに回収できていない売上債権が無いか確認することも重要です。

逆にこの日数が短ければ、資金を回収するまでの期間が短いことから資金繰りは良くなります。

棚卸資産回転日数

棚卸資産回転日数は、次の式で求められます。

棚卸資産回転日数 = 棚卸資産 ÷ 売上高 ÷ 365日

棚卸資産回転日数は、棚卸資産(製品や仕掛品、原材料などの在庫)が入れ替わるまでに何日かかるかを示す指標です。

この日数が長いと、カネがモノ(在庫)に変わっている期間が長く効率が悪いことから、資金繰りが悪くなる可能性があります。売れ残ったままの余分な在庫が無いかなどを確認することも重要です。

逆にこの日数が短ければ、カネがモノ(在庫)に変わっている期間が短いため効率良く売上を上げており、資金繰りは良くなります。

仕入債務回転日数

仕入債務回転日数は、次の式で求められます。

仕入債務回転日数 =

仕入債務(買掛金+支払手形)÷ 売上原価 ÷ 365日

仕入債務回転日数は、仕入債務(買掛金・支払手形)を支払うまでに何日かかるかを示す指標です。

この日数が長ければ、仕入から支払までの期間が長いことから資金繰りに余裕が生まれます。

逆にこの日数が短いと、仕入から支払までの期間が短いことから資金繰りが悪くなる可能性があります。

売上債権と仕入債務の回転日数を比較する

業種によってそれぞれの回転日数は様々であるため、単純に長ければ良い・短ければ悪いというものでもありません。売上債権と仕入債務の回転日数を別々に見ても、良いか悪いか判断が付きにくいと思います。

そこで、売上債権と仕入債務の回転日数を比較すれば、資金繰りに余裕がある理由または厳しい原因が分かる場合があります。

資金繰りに余裕がある場合

売上債権回転日数 < 仕入債務回転日数

仕入の支払までの期間が売上の回収までの期間に比べて長いため、資金繰りに余裕が生まれる。

資金繰りが厳しい場合

売上債権回転日数 > 仕入債務回転日数

仕入の支払までの期間が売上の回収までの期間に比べて短いため、仕入の支払資金を用意する必要があり資金繰りが厳しくなる。

まとめ

☛ カネがモノに変わっている期間を確認・検証する

☛ 売上債権と仕入債務の回転日数を比較する

☛ 資金繰りが厳しい原因を把握して改善していく

カネがモノに変わっている状態の期間である棚卸資産回転日数を把握して、この日数を短縮できないか検討することはとても重要です。また、売上債権と仕入債務の回転日数を比較して、それぞれの期間を改善できないか検討することも非常に重要なことです。

資金繰りの管理は、業種や企業の状況によって日次・週次・月次と使い分けながら未来を予測するものです。原因が分かれば未来の改善策も見えてきます。

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